《記事より一部抜粋》

『著作権法違反の幇助罪に問われた元東京大助手、金子勇被告に、京都地裁は13日、罰金150万円(求刑・懲役1年)の有罪を言い渡した。

金子被告と弁護団は「純粋に技術的検証で、法律が予定するほう助には当たらない」と無罪を主張し、「世界最高の技術価値を理解せず、開発を萎縮させ日本をIT後進国へ導く」と、事件化自体を批判していた。

一方、経済産業省の02年度「天才プログラマー」の称号を受けた技術者で、有限会社メロートーン社長の新井俊一・同連盟理事長は「あと一歩だった。金子さんと検察の主張の間をとった、玉虫色の判決だと思う。とはいえ、有罪であることは変わりなく、日本の技術も頭脳も海外に流出してしまう。検察の安易な起訴の乱発で日本社会を崩壊させないように望む」と話した。』

・・・はぁ、そうですか。

ちなみに私はウィニー否定論者です。
それで無くとも被告の主張は理解出来ません。
技術と頭脳が海外に流出する事態になる可能性をはらんでいることは否定しませんが、この技術のおかげで少なくとも国内では著作権の侵害や、国家機密の漏洩なんていうとんでもない事態になっていることをお忘れではないですか?
情報を守る側にも怠慢があったことは否定出来ませんがね。

社会に貢献し、奉仕する立場にある社会人のやることとはとても思えませんし、故意でないにせよプライバシーや著作権を散々侵害しておいて、賞賛すべき技術者とはとても言えません。

純粋な技術的検証を理由にフリーウェアとした以上、「扱い方が悪い」とか「私はそういう意図で製作したわけではない」などという言い訳は是非にもやめて頂きたい。
製作者の品位と常識を疑います。

[万一被告自身がウィニーによって深刻な著作権侵害の被害にあった時、「技術革新のためだから仕方が無い」とあきらめ切れるのでしょうか?]

さて、皆さんの場合はどうでしょう?

果たして自身が同じ目に遭った場合に「仕方が無い」といえる人間が、日本という国にどれだけいるでしょうか?
もっとも、日本という国だからこそ、この程度で済んでると思いますが。
少なくともアメリカでしたら、被害各所から訴訟の雨あられでとんでもない事になっているでしょう、主に慰謝料で。

技術価値自体は非常に高いものだと、私も認めます。
ですが、これを不特定多数に配布する理由は果たしてあったのか?
さらには、これを行った場合にどういう事態になるのか予見できなかったのか?
ここの所を知った上で配布した可能性が大であるからこその有罪判決だと私は考えます。

告訴するそうですが、おそらく何度やっても結果は同じでしょう。
もし無罪だというのなら、それなりの法律整備を進めるべきだと私は考えます。

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